意味が分かると怖い話 解説48

山川良太

2012年01月14日 17:44

意味が分かると怖い話48の解説です。

まずは、本文。

「やるよ」

そう言って、親父が俺に渡したのは古いカメラ。

「これにはな、人の死に顔が写るんだよ」

「は?全然面白くねーよ」

親父は黙ったままだった。
数ヵ月後、親父は死んだ。急性の心臓発作だった。

それから数ヶ月経ち、カメラの話を怖いもの好きの彼女に話してみた。

「そのカメラの話、本当なの?」

「撮ってみるか?」

「そうしよっか」

おい待て、冗談で言ったんだぞ。
だが、後には引けない・・・。
カシャ

「なんだよ、コレ」

俺の顔はいつもと変わらなかったが、彼女の顔が血塗れだった。

「なんかイタズラしたんでしょ!?」

もちろんしていない。
それに、写真を撮ろうと言ったのはそっちじゃないか。
取り乱したまま、彼女は帰ってしまった。
・・・俺が逆の立場だったら、そう思うと責める気にはなれない。

数日後、彼女が交通事故で死んだ。
聞いた話だが、顔は血塗れだったそうだ。

「苦しかっただろうな」

写真を見せて以来、ずっと怯えていたらしい。
あの写真を撮らなければ、もっと楽しく数日生きられたんじゃないか、と考えてしまう。
俺は彼女の分も強く生きようと思った。

ここから解説

写真に写った俺の姿が変わらなかったということは、近いうちに俺も死ぬ。

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